プリパラ1話のアバンが如何に完成されているか解説してみる
プリッカソン Advent Calendar 2019 2日目の記事です.
プリパラ1話のアバンが如何に完成されているか解説していこうかなって思います.
作品の解説もある意味ハックなのかもしれませんね.
アバン(OP前)の完成っぷりぷり
プリパラと言ったらアバンの情報量が毎話すごいことで有名です(個人的に).
アバンではその話に何をするかという情報を端的に伝えるものであると自分は考えます. 論文で言うところの概要にあたるものだと思います.
特に1話のアバンではアニメ全体の冒頭にあたるため,視聴者を如何に引き込むか重要になってきます.
アバンでしていること
さてさて本題のプリパラ1話のアバンを,アニメを見る中(前提知識なし)でわかる情報をざっくりまとめてみます.
- 〜10s:テレビに映った3人の少女のライブ映像を視聴
- 〜13s:そのライブ(アイドル)に対して憧れを抱く少女
- 〜15s:別の少女(のん)によるそのライブが3年前の伝説のラストライブの映像という解説
- 〜23s:ダンスや衣装に対する憧れ
- 〜27s:早くその少女に朝食を食べろと叱る母親
- 〜37s:「大声」に反応して母親に怒る少女と,さらに怒り返す母親そのまま口喧嘩(父親は気にせず朝食を食べている)
- 〜41s:パパのパスタという看板のカット
- 〜45s:すでに学校に出発しているのん
- 〜57s:ピザを食べながら,セインツ(伝説のアイドル)に対する憧れを口にするが自分には絶対無理であると発言し学校へ出発
- 〜90s:それまでの雰囲気と全く違うBGMで様々な少女に謎のタイミングで届くカードのようなもの
- OP
アバンから視聴者が得られるもの
さて先程はアバンでなにをしているか列挙しただけですが,ここではその情報から得られる情報や,感情についてまとめていこうと思います.
主人公と思われる少女の人物像
- アイドルに対する憧れ
- あくまでもアイドルは憧れの域から出ない
- 朝からピザを食べている
- 声が大きい
主人公と思われる少女の家族・自宅
- 父・母・妹・主人公の4人構成と思われる
- よい家庭環境
- レストランを経営している
- 妹の方がしっかりしていると思われる
謎の世界観
- 少女にチケットが急に届く
- アイドルがすごく流行ってそう
ざっくりと以上の情報を受け取れると思います.
この時点で視聴者は主人公に対して多くの愛着を感じるかなと思います. そのポイントとなっていると考えられるシーンが
- 食事
- 家庭
- 性格
の描写です.
要するに日常描写です.これによって主人公の少女は視聴者と同じように(実際は違うが)生活しているということが分かります.
これは経験論なのですが,視聴者がキャラクターに愛着を感じるのはこういった日常の細かい描写の積み重ねだと考えます. 愛着が湧いたキャラクターはその後の行動背景などが分かるため応援しやすくなる気がします.
さらに謎のチケットが急に届く世界観は落ち着いて考えたら興味が湧くので期待に胸を膨らませて視聴することができます.
まとめ
つまりこの90秒のアバンだけで
- 主人公に対する愛着
- 世界観への期待
を達成しているのです
4年間を共に過ごす少女に対してこれを1話の冒頭90秒で成し遂げているのって落ち着いて考えたらすごいな〜って気がします
この記事では1話のアバンだけを解説しましたが1話自体の完成度も高く,
- 1話の中だけでさらに主人公に対する愛着が増す描写が多数
- 分かりやすく解説される世界観
- 今後の問題がたくさんあるにも関わらず期待で胸の膨らむ展開
- 他にもたくさんいる個性的なキャラクター
- etc...
というようなことが1話から分かります.
ここでは長くなるので1話全体の解説は割愛させていただきますが,コードを書くだけでなくこのように作品自体のハックをしてみるのもまた一つ面白みがあります!
既にプリパラ見た方も見てない方もこの記事を読んで少しでもプリパラを視聴しよう!ってなってくれたら幸いです.
ここまで読んで頂きありがとうございました.
PS
地味にアドベントカレンダー初です