【ネタバレしかない】劇場版鬼滅(4DX)見てきたので咀嚼する
はじめに
興行収入歴代1位になった話題沸騰中の「鬼滅の刃 無限列車編」を見てきました。
映画自体は初見で、初見に関わらず4DXとかいう舐めムーブをかました訳ですが、原作で読んでいた箇所だったので許してください。
ちなみにアニメは全部視聴済みです。
今回は作品を見て感動したので、どこに心を動かされたかを言語化するために記事を書きました。
自分はエンジニアではありますが、腐ってもエンタメ業界で働いているので心が動いた瞬間をこうやってまとめていきたいです。感動の咀嚼が今後何かの役に立つと良いなと思っています。
タイトルにもある通りネタバレしかないので、嫌な方は回れ右してください。
また、データをとった訳ではなく持論や自分の経験論が多くなっています。あくまで一個人の解釈や感想としてお読みください。
鬼滅の面白さ 感情移入のバーゲンセール
鬼滅という作品の良さは作画・音楽・演出など色々あるかと思いますが、個人的にはキャラクターの魅力が一番大きいと思っています。
鬼滅の面白さについては多くの方が認識しているかと思いますが、どんなキャラであっても感情移入できるような展開や過去からの行動原理が丁寧に描かれている点だと自分は考えています。
一言で説明するなら「感情移入のバーゲンセール」が発生している作品です。バーゲンセールだとなんか安っぽいですけど私のクソ雑魚ボキャブラリーだとこれが限界でした。
キャラクターに感情移入するために必要な要素は様々あるかと思います。ぱっと思いつく限りで書きなぐると以下の感じだと考えています。
- 共感エピソード
- 過去のできごとと現在
- 一貫した思考や行動
- 考え方の変化などの成長
感情移入して作品を視聴を続けるとキャラクターに愛着が湧きます。
この愛着が生まれたら最後、そのキャラクターの行動や結果などの全てが愛おしくなります。
例えば、炭治郎に「困難に諦めずに立ち向かうやつ」という愛着があった場合、「絶対絶命の状態でも諦めずに立ち向かっている」という行動には期待通りで愛おしくなりますし、逆に「困難に対して心が折れてしまう」という反例的な行動をした場合には「炭治郎でも心が折れるやばい状況なのか」という楽しさや「炭治郎も結局できないことはあるんだな」という共感が生まれたりします。(頻繁に反例出てくるとアレですが)
要するに愛着が生まれた視聴者は作品の沼へと引きずりこまれてしまいます。
鬼滅という作品は鬼も含めて多くのキャラで感情移入ポイントを描写しています。 例を挙げると以下のような感じです。
- 炭治郎、家族を失う悲しさ(家族の存在の尊さ)
- 伊之助、猪に育てられた → 常に突っ込む行動(それも少しずつ変わるけど)
- 累(蜘蛛の鬼)、家族に殺されかけて殺した。家族の愛に飢えていた。
- 響凱(体に太鼓いっぱいつけてた鬼)、文学の才を認められなかった過去のトラウマ
いざ書き出すとまとまりがなくて、つまりどういうことだろうという感じになってしまってすいません。
尊敬の塊 煉獄杏寿郎
ここからは、キャラ個人に絞って劇場版エピソードを踏まえて深ぼっていこうと思います。
最初は日本中の多くの人間を劇場で泣かせた男、煉獄杏寿郎です。
一言でいうと、煉獄さんは「尊敬の塊」という表現がよいと思います。
具体的にどのあたりが「尊敬の塊」というと
- 戦いかたや呼吸の指南など炭治郎たちへの面倒見のよさ
- 弟に対する優しさ
- 強い
- 鬼になる誘いを断り続ける強い信念
- 母の教えである「強さを持つ人は弱い人のために力を使う」を一貫して守る
- 結果として乗客を全員守って死ぬ(母の教えを最後までやり抜く)
無限列車編での上映時間だけで、人柄、行動原理、強さ、一貫した信念、結果が詰め込まれており泣かざるを得ない存在となっています。
強さは強さを求めるためのものという考えの猗窩座との対比描写もすごく良かったと思います。
別な言い方をすると、「(強さという)手段を求める猗窩座と、(弱い人を守るという)目的を求める煉獄」という感じになるのでしょうか。
この煉獄杏寿郎というキャラが本劇場版での主人公だったと言っても過言ではないと思います。
鋼メンタル主人公 竈門炭治郎
次は鋼鉄メンタルで常に鍛錬を続け戦闘でも最善を尽くし続ける、パーフェクト人間性主人公こと竈門炭治郎です。
炭治郎の魅力は正直↑で言ったような戦闘力以外が最強なところを常に放出してきたところであり、それが多くの視聴者にとっての「愛着」になっていたと思います。(長男という理由で骨が折れているの我慢できるのとか意味がわからないもん)
そんな彼が劇場版で魅力的に感じた描写は魘夢が見せる夢の中で心が折れかけたことです。
これまで常に誰かを守ることと鬼と戦うことに全力を出してきた炭治郎ですが、夢の中で死んだはずの家族と日常を送ることで現実逃避しかけました。
夢だと気づき現実に戻る方法を探す中で、家族を見捨てられなかったり、見捨てた後に泣いていたりという、家族が原因による炭治郎の行動原理の反例が描写されました。
これによって、「普段は常に全力で鬼に向かう炭治郎であっても、家族が好きなので家族が絡むと現実逃避してしまう」という反例によって、「炭治郎にとって家族は本当に大切だった」ということが分かり、感情移入しやすくなったと考えられます。
また、↑とは別に劇場版での炭治郎に関するストーリーで個人的に好きだったものがあります。 それは「夢からの脱出方法が夢の中での自決かどうか試すのに悩んだ末実行する」という描写です。
視聴中に映画館でうっかり「人生やん!」って叫びそうになりました。
これを抽象化すると、「夢(現状)から脱出するために自決(不確定な情報でリスクを伴う)」となり、変化を求める行動をすることで状況を変える、それすなわち人生と一緒なのではないかと考えました。
鋼のメンタル主人公こと竈門炭治郎は反例による感情移入と、いつもの鋼のメンタルによる行動が劇場版での魅力だったのかなと思いました。
実は一番の成長 嘴平伊之助
アニメ2クール + 劇場版で一番成長したキャラは誰か?と問われたら私は嘴平伊之助を一番に挙げます。
登場当初はただの戦闘狂で、鬼との戦闘中に炭治郎に襲いかかったり人を踏みつけたり禰豆子殺そうとしてて本当に味方なのか???という感じでした。
そんな伊之助ですが、炭治郎たちと過ごすことで無限列車編では多くの変化(成長)が見られました。
- 単独で突っ込んで戦っていた → 炭治郎と息を合わせて攻撃
- 人を踏みつけにしてた → 乗客を守る動き
- 炭治郎のことを気にしながら戦闘
鬼滅屈指の成長を見せつけられるキャラだったと思います。
こういう成長も感情移入や愛着が湧くポイントになると考えています。
(列車のこと「主の腹の中」とか呼んでたのに、戦闘中に炭治郎に言われた石炭の場所を理解しててちょっと笑いましたけど)
また、成長という観点では無限列車編のラストでも一番悔しい想いをしたキャラだったと思います。
感が鋭い伊之助は煉獄と猗窩座の戦闘で、元気だったのに関わらず本能的に無力を悟って加勢できず、結果として煉獄さんが負けてしまいました。
仮に加勢しても結果は変わっていなかったかもしれませんが、痛手を負って動けない炭治郎とは比べ物にならないくらい自身の無力さに悔しさを感じていると思います。
今後も伊之助の成長からは目を離せなくなってしまいましたどうしてくれるんだ。
おまけ 4DXの感想
- 首のヒーターで煉獄さんに何回も首を切られた
- 水の呼吸するたびに水が飛んできて目潰しされたので炭治郎が嫌いになった
- 「禰豆子の匂い!」というところで禰豆子の匂いがしなくてキレた
- 列車の風や自然の匂いの臨場感は非常によかった
- 魘夢の血鬼術や雷の呼吸でのフラッシュがそれっぽくてよかった
- 座席の振動で座席からずれ落ちてしんどかった
おわりに
興行収入歴代トップとなり社会現象を起こしている本作品について視聴して、その人気について咀嚼しました。
この記事では主にキャラの魅力の観点で深ぼっていきました。
今後も何か心動かされた作品にであったらこんな感じで咀嚼して自分の言葉にできたらいいなと思いました。
分かりにくい文章で一部読みにくい箇所もあったかと思いますが、ここまで読んで頂いてありがとうございました。